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![]() 冨田靖隆/TOMITA YASUTAKA 中山路子/NAKAYAMA MICHIKO アメリカ・シカゴでアートを学び、フランス・パリの伝統的なファッションスクール『エスモード』に留学した冨田靖隆と、日本のファッションスクールでデザインを専攻した中山路子の2人が、日本のファッションメーカーで勤務期間が重なった1カ月の間に、アート話を介して意気投合。『バレリン・コンバース』を制作して、2001年にブランド【MOSSLIGHT】を設立。その後、国内での展示会を経て、2005年夏には、“シークレット・ヴィーナス"のテーマでパリ展示会に初出展。新たな感性を披露すると同時に、【MOSSLIGHT】のアイデンティティとも呼べる初期のコンバースをリメイクするなど、独自のデザイン世界を展開している。 ![]() 港区南青山2-14-19-102 TEL:03-5474-4377 |
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「アート、音楽、建築と何にでも興味があったけど、洋服には無頓着で。ファッションに目覚めたのはずっと後でした」と、今回のインタビューに答えてくれた冨田さん。パートナーである中山さんと意気投合したきっかけも、アート話だった。例えば、『ダダ』や『フルクサス』などのアンダーグラウンドでマニアックな時代や、コンテンポラリー・アート。「リアルなものを滑稽に見せているところが好きでした。でも、アートの背景には時代があります。感動したことは認めるけれど、過去を100%崇拝していては今の時代を生きていない。いずれ自分たち流の“モノづくりがしたい"と強く思っていましたね。それで何が出来るのかは、分からなかったけど……」 やりたい、創りたい、というおぼろげな渇望は、二人で話し合ううちに明確になった。イメージに突き動かされて誕生した第一作が、『バレリン・コンバース』だ。 「スニーカーは中山がもっとも身につけないアイテム。じゃあ、どうすれば履きたくなるのか謎解きをしようと模索した結果、一般のイメージとはかけ離れたものが出来上がったんですね」 美しく踊りだしそうなシューズを完成させた後、ブランド【MOSSLIGHT(モスライト)】は立ち上がった。 |

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ファッションの常識を逸脱した素材のミクスチャーが面白い【MOSSLIGHT】。けれど彼らには奇をてらうのではなく、直感を信じる自然体があるだけだ。ただ、その直感を明確にするためには、テキスタイルへの強いこだわりも必要となる。「僕らの表現したいものを、より的確に伝える素材に出会うために、勉強していますよ」。生地の展示会に足を運んだり、TSDのギャラリーに立ち寄ることもしばしばだとか。さらには、開発技術も学び、新たな生地を発想することも。 「生地選びには、“いいな!"という直感を信じる一方で、モノになった時、本当に人へ伝えられるのか、という客観性も失わないことも大事。そういうクオリティのハイ&エンドを知ることで、幅広い価値観の眼を養いたいですね。例えば、表現したいものにアプローチしている生地を、値段の高い安いにとらわれず探すこともそう。個人的な好き嫌いとは別の冷静な眼を持てば、苦手なものでも“フレッシュ"ととらえ直せますしね」 一般的に言われるファッションデザインの不文律や、ごく個人的な嗜好からくる束縛、それ自体を、面白がりながら取り払っていく二人の姿が見えてくる。 |

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冨田さんと中山さんのモノづくりには、常にたくさんのイメージが湧いている。テキスタイルをはじめとする素材、ファッション以外のアートと、彼らが集める情報量は膨大だ。そして、それらの情報は新たなテーマへとつながる発見になる。 「いったんは膨らませたメージを、どんどん削ぎ落とし、やりたいものを絞り込みます。その編集作業が、もっとも苦しく、一番大事。何がやりたいのか分からないものを市場に送り出しても、支離滅裂ですから」 そうやって研ぎ澄まされた感性は、“1シーズン1テーマ"のもとに表現される。バレリン・コンバース以降の第2シーズンでは、『セッション・イン・ザ・バッハ』のテーマで管楽器をモチーフにしたアクセサリーなどを創作した。また、2005年のテーマは“シークレット・ヴィーナス"。ミロのヴィーナスの髪は何色? 腕がついていたら? という“謎解き"に挑み、人毛のエクステンションや羽をあしらったアクセサリー&ウエア、ヴィーナスのペンダントや、【MOSSLIGHT】初のメンズ・アイテムもできた。 |
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【MOSSLIGHT】の展示会では、そこに流れる映像や音楽もオリジナルだ。それは、冨田さんと中山さんのデザインに、生活すべてに関わる創作意欲があるためだ。
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冨田さんと中山さんのベースにあるアート観のひとつがダダ。この『DADA』は今年パリで購入したものだが、関連本はほかにもあり、教科書のような存在とか。「でも、いつもじっくり見ているというのではなく、ふと思いついてめくる感じ。その時によって刺激も解釈も変化して面白いですね」。 |
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