TSDテキスタイルプランナー横井達也と、テキスタイルの営業経験を持つTSDスタッフ竹内 愛。今年3月17日(金)〜24日(金)に開催されたJFW(日本ファッション・ウィーク)に出展したTSD自信のオリジナル&トレンドなテキスタイルを、プロフェッショナルそれぞれの視点からレコメンド。TSDにしかない希少価値の生地も登場、要チェック!
横井 達也テキスタイルプランナーテキスタイルのデザイン、企画、デザイナーへのコンサルティングまで行う万能プランナー。テキスタイルメーカー勤務後、アパレルデザイナーに転身。フリー独立後は自身のブランドで個展も開催。そのオールマイティーな知識に多くのデザイナーが信頼を寄せている。本年頭にミラノやパリで生地を買い付け、ヨーロッパのトレンドを吸収して帰国。今後はアジア諸国へ出かけたり、日本国内の生地産地を巡って日本ならではの生産・加工技術を探索する予定。
竹内 愛TSDショップスタッフ瀧定大阪株式会社にて、インディーズ系のブランドを中心に2年半営業を担当。トレンドの流れをいち早く察知するアンテナを磨く。その後東京に移り、現在はTSD店頭で接客する毎日。TSD特有の販売システムを分かりやすく説明するだけでなく、スタッフの立場からよりよく改善すべくシステムのスキルアップに努力。システム構築・管理の側からクリエーター&ショップを支える頼もしい存在。
|
 |

 |
 |
マスカ プリーツを閉じた状態でプリント加工しているため、ひだを開いた時と閉じた時では水玉模様の印象がガラリと異なる変り種テキスタイル。一枚使いでも、他の生地と重ねて使っても動きが出るので、デザイナーの想像力によって出来上がり服の個性もさまざまに。 |
横井:今回は、今年3月17日(金)〜24日(金)に東京で開催された、JFW(日本ファッション・ウィーク)でTSDが発信したオリジナル・テキスタイルをPICK UPしました。テキスタイルの展示はもちろん、デザイナーとの共同企画で洋服を作ってもらったりしたんです。まずこれは、プリーツ(※1)の上からフロッキー・プリント(※2)を施した生地で、『マスカ』とネーミングしました。TSDオリジナルのプリント生地には人のような名前を付けていこうと思っているのですが、その第一弾ですね。
竹内:今まで見たことがないものですね。
横井:でしょう? 通常のプリーツは、スカートなど製品のパターンに裁断してから施すものだけど、これは生地の段階でプリーツにしてしまうんです。その上からフロッキー加工するので、プリーツの山の部分にはプリントが載り、谷の部分には載らないという、非常に珍しいデザインになる。プリーツにフロッキーを加工するのはとても難しいんですよ。今回はその技術を持つ加工工場に出会ってトライアルした成果なんです。
竹内:フラットな生地と重ねてプリーツを”チラ見”させたり、パンツのサイドに入れても動きが出そうよね。横にしてボーダーみたいに扱えば、軽やかなトップスとしても映えんじゃないかな。営業経験から言えば、いろんなターゲットに好まれる生地ですよ。クロコダイルっぽい配色にすればワイルドだし、淡いペールカラーならお嬢様系にもウケそう。
横井:まさに、TSDからの提案型テキスタイル。JFWでは2人のデザイナーさんが選んでくれて、同じテキスタイルでも、それぞれに違ったイメージで仕上げてくれましたね。
※1 プリーツ 一般には生地に熱などを加えて襞(ひだ)状に形づけたもの。通常は製品用のパターン(型紙)に合わせて裁断した生地に行われる。
※2 フロッキー・プリント プリント加工の一種で、粉状のレーヨンを生地に付着させるテクニック。マットな感じの仕上がりで一見するとフェルトが貼ってあるように見える。プリーツの上から行うのは非常に高度な技術。
 |
 |
カシミアフリース ふわふわの手触りとやわらかな風合いが一番の特徴。力をかけると裂けやすいデリケートな性質なため、羽織ものや飾り向き、パンツやスカートのボトムにはNG。いかに傷ませず、感触が楽しめるか、という点で上級者向き。 |
横井:次の『カシミアフリース』はピュアカシミア100%なんですよ。
竹内:一見、フリース(※3)に見えるけど……、うわぁ!手触りがぜんぜん違いますね、軽やかであったかい。
横井:フリースは編物だけど、これは、ガーゼのように甘く粗く織った生地を起毛した織物。毛布の産地で加工してもらいましたが、これだけ細かな起毛ができる技術者は日本でも限られていて、使ったのは僕も初めて。今までにないテクニックですね。
竹内:カシミアは磨耗に弱いけど、どんなものになるかしら?
横井:確かにデリケートなんだ。だから羽織ものや、力のかからない使い方をしなくちゃね。こういった繊細な素材には、販売の上でも扱いに注意事項をつけていくつもりです。
竹内:特別なテキスタイルなんですね。
横井:生産技術も扱い方も難しいし、高価だから、量産するには大きな壁が立ちはだかるでしょうね。かといって、こんないい生地が世の中に出ないのはもったいない!それを強く感じたから、今回思い切って作りました。過去に、キルティングの中綿にされたことはあるけど、テキスタイルとして登場するのはこれが初めてなんですよ。
竹内:すごい!メンズにもレディースにも広く好まれそうですね。大事に、感触を楽しむために・・・。
横井:自分だけの一点もの、という希少価値が求められている今に、最適な生地です。こういった価値あるテキスタイルが提案できるのは、0.5mの少量から切り売りできるTSDだからこそですね。
※3 フリース 生地の両面の編目が見えなくなるまで起毛させた編物。最近はポリエステルが中心で、ペットボトルをリサイクルした繊維のものもある。非常に温かく軽いのが特徴。
 |
12 |
1/2 ページ目 |
|